子どもの将来の職業で考える学校選び【お医者さん編】

お受験をするという選択をするとき、少なからず子供の将来について考えることになります。
特に、小学校受験の場合、子供の進路を親が決めてしまう要素が強いので、責任重大です。
そこで、小学校選びにおいても、子供が大人になるまでの進路のイメージを持っておくことが必要だと思いました。

ということで、小学校選びにあたって、子供の将来の職業を考えるシリーズ(笑)、今回は、お医者さん、医師です。

まず、医師になるための進路の基礎知識です。


大学「医学部」を目指す


医師になるためには、基本的に、大学の「医学部」に入学して、医師国家試験に合格する必要があります。
大学の「医学部」をざっくり種類分けすると、①私立医科大学(順天堂大学、慈恵医科大学など)、②私立大学の医学部(慶應大学、日本大学など)と、③国公立大学の医学部(東大、京大、信州大など)です。

大学受験時の偏差値は、大雑把に理解すると、①私立医科大学 < ②私立大医学部 < ③国公立大医学部の順で、学費の高さは、その逆、③国公立大医学部 < ②私立大医学部 < ①私立医科大学 です。

つまり学費の安い大学は人気があり、偏差値も高くなるということで、わかりやすいですね。ただ、実際には個々の大学の人気により、この通りに当てはまりません。

医学部の難易度はどの程度なのか?
最難関は、東京大学(理科Ⅲ類)で偏差値は76、その他の国公立の例だと、名古屋大学72、秋田大学68。私大の代表、慶應大学医学部は75、東海大学70、比較的入りやすい?北里大学68です。
※東進ハイスクール50%Cライン偏差値より

地方大学まで含めれば、医学部のある大学は、全国で80校程度あります。なので、選択肢は広いのですが、すべての学校が偏差値70程度が最低ラインということで、かなりの勉強が必要なのは間違いありません。

ところで、医学部の話ばかりしていますが、医学部に行けば必ず、医者になれるんでしょうか? 実は、医師国家試験は「受かって当然」と言われています。大学は国家試験の合格率を競っていて、だいたい80%〜100%。つまりほとんどが受かります。
これは当然、在学期間中にそれだけの勉強をしての合格なので、簡単な試験というわけではないので誤解の無いように。
ただ、医学部に入った後は、大学も周りも医師を目指す環境で、国家試験合格に向けての勉強は、自然な成り行きになりますから、実態としては、「医学部に入りさえすれば、医師になったも同然」とは、親としてはある程度見込んでもよいのでしょう。

見方を変えると、他の学部と違って、医学部を目指すということは、合格時に既に職業が確定する、しかもかなりの高収入で安定した職業が確保される、と言えるところが大きなポイントだと思います。大学生になってから、しばらく遊んで(私自身のこと!)、就職活動で初めて何になろうか?どこに就職しようかなどと考え始めるのとくらべると、一歩すすんだ人生を歩むことになると言える気がします。


「医学部」の学費はいくらかかる?


さて、医学部に行くとなったら親として気になるのは、お金の工面です。
医学部は最低6年間通いますから、6年間の学費で考えます。私大医学部6年間の学費は、安いところで2000万円です。
サラリーマン家庭でも節約して頑張ればなんとかなりそうですが、この最安ラインの学費の学校は、その代わりに試験が難しいのです。
慶應大学医学部が約2000万円で、私立の中では最安に近いので、知名度もあって偏差値はトップクラスになります。一方で、例えば、川崎医科大学。偏差値は69で、学費は約5000万円です。
ここまで高いと、いくら子供のためとはいえ躊躇してしまいます。そこで、国公立大学の医学部です。
国公立であれば、学費は6年間で、なんと350万円です。私大の金額を見た後だと、衝撃的な安さですが、これは国で決められた学費なので、東大でも京大でも、どこの地方大学でも一律同じです。費用が税金から拠出されているわけですから、ぜひ回収しましょう(笑)

ということで、お金に相当の余裕のあるご家庭以外で、こどもが「医者になりたい!」と言った場合には、国公立大学の医学部が第一希望。別に東大でなくとも、6年間を地方大学で修行してくるくらいはありでしょう。あとは、比較的安い学費の私大は第2希望で受けておきましょうか。慶應、順天堂、慈恵医大 このあたりに受かってくれれば、それは申し分ありません。


小学校受験から医師へのルート


さて、基礎知識が長くなりましたが、小学校お受験においては、子供が将来医師になるルートを、どう考えておけばいいでしょうか。
先に、私の考えた結論は以下の通りです。

・医学部のある大学一貫校(つまり慶應)は適さない。(幼稚舎、横浜初等部)
・その他の大学一貫校はメリットなし、だがデメリットでもない。(学習院、成蹊、青山...)
・やはり小中高一貫校は良い。(暁星、白百合、雙葉...)


1.医学部のある大学一貫校(慶應)

まず、大学一貫校の小学校で、系列の大学に「医学部」があれば、有利に進学できそうです。しかし、大学一貫校の小学校のうち、医学部があるのは慶應だけ。幼稚舎と横浜初等部以外の大学一貫校の場合は、必然的に、大学受験をして別の医学部のある大学に進む必要があります。

では、幼稚舎や横浜初等部に行けば、医学部、お医者様への近道になるのでしょうか?
慶應高校からの内部進学では希望の学部を選ぶことができるそうです。各学部はある程度の枠があるので、成績順とはいえ希望の学部に行ける可能性が高いのですが、「医学部」については別格と言われています。内部進学の医学部枠はとても少なく、各系列高校から、数名程度の狭き門。当然これは高校入試を経て合流した偏差値の高い子たちとも合わせての競争になりますので、なかなか難しそうです。「幼稚舎には医者の子供はたくさんいるが、医学部に行けるのはむしろ稀。たいてい、他大学を受験して行きます。」とは、内部を知る知人の話です。


2.その他の大学一貫校

大学一貫校は、周りが大学受験をしない雰囲気の中、受験勉強なんてできないのではないかという懸念があります。確かに強い意識が必要になるとは思いますが、自分は医師になりたい、でも系列大学に医学部がないのだから、出るしかない。そういう動機であれば、頑張れるのではないでしょうか。それは親と本人の意思の問題だということですね。
例えば学習院高校や成蹊高校は、約半数が他大学を受験していきます。立教新座高校は、立教大学以外の受験を意識した学校で対策授業もあるようです。こういったところであれば、堂々と(?)集中して受験勉強に励むこともでできそうです。

では、「医学部」への現役合格者のいる、小中高大一貫校を挙げてみました。2020年の実績です。当然、受験した子の数が少ないので、合格者の絶対数も少ないですが、個人的には結構いるなあと思いました。なお、内部進学生か含まれているのかどうかまでは不明です。

「医学部」への現役合格者のいる、小中高一貫校
大学一貫校の高校
合格者数
(2020年)
学習院女子高校13名
成蹊高校13名
立教女学院高校9名
青山学院高校8名
早稲田実業高校5名
立教池袋高校4名



3.小中高一貫校

つまるところ、医者になるためには、高校で勉強して、大学医学部を受験するしかほぼ選択肢はなく、高校時代に勉強のピークを持ってくることになります。
そう考えると、高校受験を経て、入学後さらに大学受験に向けて頑張る、というのはなかなか精神力の必要なこと。ですので、世の中で一番多いのは、中学受験から中高一貫校に入り、大学受験というルートなわけです。
そこで、小学校受験の意義は、大学進学率に定評のある進学校に、早くから入れること。具体的には、暁星、雙葉、白百合あたりになります。

私は、小学校受験を通して早くから学習の習慣をつけつつ、小中高一貫校でじっくり基礎学習をしながら、成長とともにだんだんと受験勉強にシフトしていく、というやり方は、子供の負担を考えると、なかなか得策な気がします。また、国公立大学医学部の場合、センター試験が必須であり、国社を含めた全科目を満遍なく勉強する必要があります。その基礎として、小さいうちから、全科目の幅広い知識を継続して積み上げていくことは、決して無駄ではないと思います。

「医学部」への現役合格者数20名以上の、小中高一貫校
小中高一貫校の高校
合格者数
(2020年)
暁星高校65名
白百合学園高校41名
学芸大付属高校30名
雙葉高校28名
桐蔭学園中等教育学校28名
開智高校28名
横浜雙葉高校27名
東洋英和女学院高校
24名
洗足学園高校 
20名




ということで、小学校選びで、将来の進路を考える。医師編でした。

親が無理に医者になれ、などと仕向けることはよくないとは思いますが、小中学生のうちに、職業について考える機会を与えて、いろいろな職業の選択を考えさせ、その上で、「医者になりたい!」と子供が言ったら、親としては全力で現実的な対策を考えて、併走してあげたいと思います。



<参考>


※このブログの内容は個人の感想です。情報の誤りや、私の誤認識に基づく意見もあるかも知れません。何事も、最終的には皆様自身でご判断頂きたくお願いします。
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