「孫子の兵法」は、むかしの戦い方のマニュアルですが、現代の様々な場面で、どのように行動すべきかのヒントがつまっています。
お受験を、戦いというのは、いかがなものかという気もしますが、でも実際、いろんな意味で戦いですよね。。
「こども孫子の兵法」という本。(監修:齋藤孝 日本図書センター)
私は、この本を読むまでは「孫子の兵法」の中身を知りませんでしたが、たまたま、お受験活動の時期に読んだことで、お受験に当てはめて、自分自身に当てはめて、気持ちの整理に役立ちました。
「孫子の兵法」は、原文の日本語訳ですら私にはとっても難しいのですが、この「こども孫子の兵法」は、重要な部分を「こども訳」として、とても簡単な言葉で表現している子供向けの本で、大人でも私のような初心者には十分ためになります。本当に平易な言葉になおしてあり、加えて具体的な事例を解説とマンガを使って説明してくれているので、5歳の子どもと一緒に読んだりもしました。
例えば、
原文訳「先ず勝つべからざるを為して、以って敵の勝つべきを待つ。勝つべからざるは己にあるも、勝つべきは敵にあり。」
はい、全然わかりませんね。
そこで、「こども訳」です。「まずは相手のことより自分のこと。負けないための準備をしっかりしよう。」
なるほど〜。
当時お受験中の私は、学校を敵とみなして(!)、これは、「志望校対策ばかり気になって視野が狭くならないように、本来子供が身につけるべき知識・能力をちゃんと見極めて弱点を補強することだ」と解釈して、妙に納得してしまいました。
さらには、他のお子様を敵とみなして(すみません!)、「ほかの子はすごいとか、あの子はあれができるとか/できないとかを気にしないように、自分の子とだけしっかり向き合おう」と思うようにしました。
その他、いくつか紹介します。
原文訳「主は怒りを以って師を興すべからず、将は憤りを以って戦いを致すべからず。」
こども訳「怒りに振り回されてはいけないよ。どんな時でもクールに判断。」
そうですよね〜。怒りによって乱暴に扱うと、それまで築いてきたものが壊れて元に戻りません。「なんであの子はできるのに、あなたはできないの!?」なんて絶対に禁句ですが、本試験が近くにつれ、焦りやイライラからつい余計なひとことが出そうになります。自分を律しないといけません。
原文訳「善く戦う者は、人を致すも人に致されず。」
こども訳「他の人の意見に振り回されないで、自分で決断しよう。」
学習の仕方において、あれをやった方がいいとか、志望校の選択において、あの学校はどうだこうだと、お受験は、根拠のない噂程度の話が溢れています。ネットの掲示板の書き込みは正確かどうかの判断がむずかしいです。それより、信頼できる情報だけを頼りに、最後は自分で判断しないといけませんね。
夫婦間でお受験の方針で意見が違ったら、、、、それも私で決断しようと(笑)
原文訳「先に戦地に処(お)りて敵を待つ者は佚(いつ)し、後れて戦地に処(お)りて戦いに趨(おもむ)く者は労す。」
こども訳「だいじな場面で早めに行動しよう。早ければ楽になるし、遅ければ苦労がおおくなってしまうよ。」
願書の準備は早い方がいいです。。エピソード作りが大変苦労します。提出直前になってからではじっくり取り組めませんし、精神的にも追い詰められます。うちは追い詰められましたが。
孫子先生のおっしゃっているのは、そんな小さなことではないのでしょうけどね。
最後に、
原文訳「夫(そ)れ戦勝攻取して、其の功を修めざる者は凶なり。」
こども訳「たとえ争いに勝っても、目的を果たせなければ失敗なんだよ。」
深い、深いです。。
お受験の目的、見失いそうになります。子供の成長のための幼児教育、今後の幸せを願っての学校の選択だったはずで、受験のためだけの勉強ではないし、受験のテクニックを教えることは目的ではありません。合格できるところならどこでもいい、というわけでは決してありません。
これから本試験が近づくにつれ、よりいっそう肝に命じて行かなければいけないことだと思います。
※このブログの内容は個人の感想です。情報の誤りや、私の誤認識に基づく意見もあるかも知れません。何事も、最終的には皆様自身でご判断頂きたくお願いします。
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